今回の「マジアンズウォーカー」のテーマは、TCGと麻雀の融合だ。
麻雀の特殊ルールにはいくつか方針がある。麻雀のゲーム性自体に影響を及ぼすものと麻雀のゲーム性はそのままに偶発的な事象に対してボーナスを付けるといった方向性のもの。前者は簡単にいうと「赤ドラ」「白ポッチ」などの直接的なものからローカル役満と様々なものがこの世に存在している、順位点が変わるだけでもゲーム性が大きく変わるものだ。後者は祝儀やサシウマなどのルールで、麻雀自体を曲げる必要はない。
悪鬼流では一つの方向性として「敗者の救済」といったテーマがある。麻雀に勝者は何人いるか?という疑問と戦ってきた。単純にトップで半荘を終えた人、オーラスに4着から2着に浮上した人、点数的には負けたが特殊ルールのポイントではトップの人。1半荘で多くの勝者を生まれさせたいという狙いがある。今回のルールでは麻雀のゲーム性自体にも大きく影響を与えつつ、負のオーラを発散できるようなシステムを目指した。
ゲームフローの考え
まずはテーマとしてカードをプレイし、モンスターを召喚して、相手を攻撃する。そして点棒とは別に用意されたライフを削り勝利を目指すというゲームフローだ。カードのプレイに必要なコストにはこれまでの特殊ルール上あまりスポットライトを浴びていなかった「捨て牌」を利用しようという考えだ。
捨て牌をマナコストに
読み、現物、迷彩、フリテンなど捨て牌には麻雀の要素が多く含まれている。捨て牌に関するローカルルールには流し満貫や真似マンなどが存在する程度で、あまり多くは使われていない。捨て牌はある程度自分の意思で作ることが可能であり、これを利用すると配牌オリなどの場面でも面白さが生まれるのでは無いかと考えた。
「マジアンズウォーカー」自体は「マジック:ザ・ギャザリング」のパロディ要素が強いため、まずは牌を5色に分ける方向で考えた。初期の案では19牌(6種)、字牌(7種)、萬筒索の中張牌(各8種)と考えていたが、視認性の問題や自由度を考えて字牌(7種)と萬筒索(各9種)の4色に分けることにした。
MtGにおける1マナをどうするか
次にカードをプレイできる最小単位を考える。結論から述べるとこれは「5枚」にした。麻雀における平均和了巡目が10~11巡であり、鳴かれる牌や牌効率を従った場合の字牌の切られ方などを考えた結果、ある程度狙って捨てなければ5という数字は達成できないからだ。2マナ以降の数字は「7枚」、「9枚」という風に奇数で調整を行った。
色ごとの特徴設定
カードには4色の色を設定した。こちらも大まかにMtGの要素を参考にした。
- 赤(萬子):直接的な攻撃呪文、ダメージを2倍にするなど
- 青(筒子):防御呪文、手札に戻す、カードを引く、場のカードを入れ替えるなど
- 緑(索子):モンスター全般
- 字(字牌):無色枠、ロマン、コンボ想定のカード、時限爆弾的なモンスターなど
バトルで攻撃する側
召喚したモンスター同士のバトルが一つのゲーム性となっている。ここで重要なのはバトルで攻撃するのは「和了された側」であり、「和了した者」は攻撃される対象となる。つまりツモ和了では他3人からのターゲットとなり、ロン和了では1人から攻撃される。
東1局などでは比較的自由に麻雀を打つことができるが、オーラスに近づくにつれて場のモンスターの数が増えていく。ツモ和了で大ダメージを受けるような展開も珍しくない。トップ者や逆転を狙う者は適切な防御用モンスターや防御用の呪文を用意して戦うことが求められる。
ただこのルールは和了に対してリスクを掛けているとかいうわけではなく、ただ「アガられたらむかつく」といった負のオーラを発散させるための仕組みである。
スコアに関するルール設計
得られるポイントは半荘終了時の残りライフに応じて変動する。一番ライフが少ない者とのライフ差自体がそのまま点数として得られる。ただしライフが0になっている場合は時点で少ない者とのライフ差となるシステムだ。一人を攻めるのがお得だが、その一人が脱落してしまうと次の標的は移り変わる。まさに現代の闇を体現したようなシステムである。ちなみに自身に攻撃呪文を撃ち、ライフを0にすることも可能だ。
ゼロサム方式ではないため見た目上のシーズンスコア集計はプラスになるという心理的要素もある。デカイマイナスがあると気分が削がれるからね!
時間短縮の考え方
カードのプレイやモンスターでの攻撃は局と局の合間に行うのだが、あまりに時間が掛かりすぎると長時間の対局になってしまう。いくつかの時間短縮のためのルールを採用した。
手札は最初に全て配る
局ごとにカードのドローを考えたが、時短のために最初に全てのカードを配ってしまうという方向に。捨て牌の運要素などもあるため初期手札は10枚と選択肢を多くした。ある程度は狙ったことができ、半荘の方向性を見出せる手札枚数。最終的には「雀荘渡り」1枚+10枚の11枚とした。
カードのプレイは同時に行う
カードのプレイタイミングはその局では全て同時に解決する。ただし対象があるものについてだけは親から順番に指定していく、様子見や後出しなどにあまり意味がない状態が理想。見えている対象だけしか選べないので選択肢が少なくなる利点。手札から急に予想外のカウンターカードをプレイされる心配がなく、わかりやすい。
オーラスフェイズを用意して効果処理を後に
難しい、ややこしいコンボ想定の効果をもったカードは全てオーラス終了後にゆっくり処理をする方式に。次元渡り(プレインズウォーカー)からパロったこのゲームのタイトルにもなっている雀荘渡り(マジアンズウォーカー)の効果である。強い効果が多いが、早めに出すとコンボ相手のカードを潰されたりとプレイタイミングが難しいカードたちをデザイン。
今回の反省点
やっぱマナコストとカード種別アイコンは逆だったかも知れねェ……

悪鬼流麻雀においてルール無用の「トイトイの構え」を編み出し、数々の大物手を蹴ってきた実績を持つ。トイツ濃度という考えを独自に進化させ、立直者に対しては決して楽をさせない打ち筋を選ぶ。座右の銘は好牌先打・尖張牌。
好きな役は「対々和」好きな雀士は「土田浩翔」


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