人狼と麻雀を組み合わせるという案は何個か見つけることができた。人狼のカードを使ったもの、トランプを代用したもの、雀荘の1日イベントで行ったものなど。どれも1半荘でそれなりの面白いシーンが出てきそうなものだった。
2、3か月単位で成績を記録しながら麻雀を行う中でドラマティックなシーンがいくつか出てほしいという思いを込めて常にルール作りを考えている。競艇よりかは競馬のようなシーズンの進み方が理想的だ。シーズン終盤では最終的に団子状態になり誰が優勝か予想できないような成績。また優勝できないとしても最後まで楽しめるようなルールが好ましい。
今回の「雀狼」ルールではそういった流れを考慮しない、半荘単位で楽しめるという方向を目指している。16期であった役満エントロピー(役満が出ていない半荘数分ジャックポットのように役満祝儀が積み上がっていく方式)のような逆転要素は無く、サブの「雀狼」で獲得したチップを競えるような記録方法を取っている。麻雀では負けたが「雀狼」が一番上手かったのはオレだ、と言えるシステム。
初期アイディアなど
さて、この「雀狼」の各役職のムーブについて製作段階で色々詰まった部分もあったので書き残しておきたい。
まず一番最初にルールとして作ろうと思ったのは「雀狼が居ないのに疑いあっている村人たち」のシーンである。私は何かゲームのルールを作るときにそのルールによって演出されるシーンを思い描いて作ることが多い、人間同士の罪のなすりつけ合いが見たいのでこのルールを第一にした。
二番目に考えたのは、役職を決めるためのマーカーである。人狼といえば昼と夜、麻雀といえば陰と陽、それと萬子筒子索子字牌と考えて2×4の8枚というのが初期のアイディアだった。後に字牌は全てチップを出せるようにし、字牌部分を雀+狼にすることで形が整った。
雀狼vs村人の出現率、2回に1回ぐらいは雀狼がいるというセンで作っていたがあまりにも雀狼が強すぎるため雀狼を引けるかどうかで楽しみ方が変わってくるという結論に至った。その後「1週間に1回、雀狼が訪れる(悪鬼流の開催頻度)」というテーマ性をもたせ7回に1回という方向で調整した。
各役職の擬態
各役職が行うべき真の擬態について、簡単にいうとどう嘘を付くのかという考え方。
狂人(きょうじん)
一番わかりやすいのが「狂人」であり、狂人は自身が狂人だと見抜かれてはいけない、狂人が行うべき真の動きとは「なんかムカつくから指名したろ」と思わせることである。
特に狂人であることをカウンター関係にある傀儡師に気づかれてはいけないので、それ以外の部分でヘイトを集めることが重要になってくる。基本的に玄人を演じ、傀儡師が居ないと判明すれば雀狼やサマ師を匂わせていくこともできる。
物語上は「チップを盗まれたと叫ぶ男」
傀儡師(かいらいし)
傀儡師は「占い師」のような立ち位置になっており、卓上の残り2名の村人の説得が必要になってくる。つまり本来嘘は付かなくてもいい役職ではあるが、村人に擬態するという強硬プレイも可能になっている。
3人の村人のカミングアウトは強力であり、自身への指名を避けられる他、最後の一人の役職が「狂人」の場合に強く否定されにくい。狂人サイドからは誰が傀儡師かの判断が付かない上に、疑われて指名されるという事は達成しているため判断が難しくなる。
敵を騙すにはまず味方からという村人2人に対して嘘を付くほうが強いパターンだ。物語上は「村長代理」
雀狼(じゃんろう)
そして「雀狼」は「嘘を付かなくてはいけない」という役職であり、非常に難しいだろう。黙っていると次々と村人が判明していき早々にクロ判定をもらうことになる。特に派手なアガリやチップの多さで目立つと嫉妬だけで指名される可能性も高くなり、なんとかその前に村人になりきらないといけない。
この場合、なんとかして村人1人に配られたマーカー2種になりきるのが重要である。とにかく誰かと1対1の状況を作り出すことを優先したい。残り2人の村人から見てどちらが雀狼か判断が付かない状況を作りだすのが大事だ。そしてあわよくば最後の1人を雀狼に仕立てあげる。
そうこの状況、さっき上で紹介した「傀儡師」の動きと同じである。雀狼は大胆に傀儡師を名乗る、本家の占い師ムーブがそのまま通用する。物語上は「金を奪いにきた村人ではない者」
村人(むらびと)
「村人」は簡単だと思っていると痛い目に遭う。村人の能力は強力だ、和了で初めてチップを獲得できるルールで2倍という破格の性能を持っている。しかし狂人のように獲得したチップに対する補償は無い。なるべく追放されてはいけないのだ。
自分以外の誰かを追放するための動き、それがたとえ狂人だとわかっていても「狂人に騙されているフリ」をするのも時には必要なのだ。もし誰かが狂人であることを力説してしまえば次に向かってくる指名は自身に来る可能性もあるのだから。物語上は「村人」
脳のリソース不足
沈黙は金なり。時には黙ることも必要だろう。理論的に状況を説明してもみんな麻雀の最中である、麻雀をしながらだと会話の知能指数がグンと下がると言われている、それは麻雀に集中することで会話に脳のリソースを割けなくなるからだ。麻雀中に爆笑事案が多いのは会話のリソースから笑いのハードルまで全て下がっているという悪鬼流の研究結果がある。つまりもっともらしい簡潔な理由付けこそが最強ムーブになるときがある。
「雀狼はリーチが早い」などがまさに最適解である。「早いリーチは14索」ぐらい説得力がある、特に麻雀に集中すればするほど「あぁ、そうかリーチが早いから雀狼かもしれないなァ」ぐらいの思考になってくる。
麻竹村について
ストーリー上登場するこの村では外部との交流が少数となっている村落共同体と呼ばれる場所。舞台は日本のどこかにあるという。15期でレンたちによって転生させられた10期のラスボスであるキルドラースは16期においてキールという名で世界線を認識できる少年に転生していた。
魔王としての能力は失ったが女神からは魔雀の能力は授かっていたためレンたちと同じく魔雀具を使える。そしてそのレンが偽名である切間瀧として向かったのが麻竹村。この村で行われる麻雀はいたって普通のものだが、そこで使われるチップが金でできており、村人たちはその価値を知らない様子だった。
切間はその金に目を付けて麻雀でチップを集めることにするが、窃盗事件の容疑者として捕らえられてしまう。そう、切間以外にもこの村には素性を隠して金を狙う者たちがたくさん潜んでいたのだ。これ以上この村のことを世間に知られては村人たちが金の価値に気づいてしまうと考えた切間は最後のビデオレターと称し世界に警告を発信した。「麻竹村には近づくな」
用意された座敷牢、そこに見かけた不穏な痕跡、果たして村人たちは本当に金の価値を知らないのだろうか…… 追放された者の夜はまだ明けない。

悪鬼流麻雀においてルール無用の「トイトイの構え」を編み出し、数々の大物手を蹴ってきた実績を持つ。トイツ濃度という考えを独自に進化させ、立直者に対しては決して楽をさせない打ち筋を選ぶ。座右の銘は好牌先打・尖張牌。
好きな役は「対々和」好きな雀士は「土田浩翔」



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