麻雀で強くなる。知識、経験、場数と様々な要素が絡み合って強さが決まる。ネット麻雀主流の現代では強さというのは累積データが最重視されやすい。これはいわゆる長期的に麻雀を打って良い成績を残すというスポーツ的な考え方でもある。しかし他のスポーツと違って短期的な瞬間だけ見ると麻雀の実力というのはなかなか見えてこないものだ。特に著名人、Mリーガーなどと違い名の知れていない玄人(バイニン)なんかは一目ではわからない。強さは対局後に初めて見えてくるものだ。
想像力は恐怖を生み出す
昔から麻雀というのは注目されたほうが勝ちやすい、マークされたほうが有利と言われている。知らない人と同卓する時、「この人はこの店で一番強い人だよ」と紹介された相手が来た場合どう思うだろう。現役Mリーガーと同卓した場合どう感じるだろう。ましてやそんな人が先制リーチなんか仕掛けてきたら注目せざるを得ない。
麻雀において「肩書」というのは強力な武器だ。人は想像力で幻影を生み出す、それは手の大きさであったり危険牌の濃度であったりと様々だ。そんな幻影を見て行くべき所で行けなくなればそれは本来の流れではなくなるだろう。
リーチの一人旅ほど楽なものは無い
立直を掛けてアガりを目指す時に一番困るのは追っかけである。最近では参加率という言葉で説明されることが多い、全員の参加率が高ければ出アガリの可能性も上がる。もちろん追っかけリーチでめくり負けることも起きるわけで、なるべく他家には参加して欲しくないのが本音だ。
リーチを掛けてそのまま流局まで自分がツモり続ける状況こそがベストである。ツモる回数が増えればツモ率は必然的にアップするし、不要な失点も防ぐことができる。では、相手がどんな仕掛けをしてきたら攻め返すのをやめるだろうか。
見える恐怖

さて、ここでポンポンポンと三回の鳴きが入ったとしよう。晒された牌は白・發・中。これはもう気軽に参加します、とは言ってられない状況だろう。このような状況で立直に行けるのはデータを完璧に覚えたAI人間か役を知らない初心者ぐらいだ。
では、ポンポンと二回の鳴き。晒された牌は白・發。中は自分から1枚も見えていない。鳴いた相手の捨て牌はテンパイ気配ときたもんだ。ここで押すか引くかのラインが出てくる。明確な答えは無いが、様々な要素が絡んでくる。まるで押し引きの天秤に「根拠」を乗せていき、傾いた方に従うような思考である。
根拠=強さ
「根拠」とは何か。それこそが最初に述べた相手の強さである。相手が強ければ強いほど、無駄なリーチや副露はしないと思い込むものだ。変な捨て牌であってもそれは何か意図があると感じ取ってしまう。そうして自分の手を見てみると現物以外は全てアタリ牌のように見えてくるのだ。相手の見えない手も過剰に評価してしまうだろう。時には2000点が32000点に見えてしまうことも出てくる。
つまり、自身を強く見せることこそが相手を引かせてツモ回数を増やす事につながる。役満が出る場というのは出る前になんとなく空気を感じ取れる時があるだろう。そういった空気を自身が出せることが勝ちに繋がるのだ。
人間の本能に訴えかける発声法

人間が恐怖を感じる対象、それは猛獣の王であるライオンである。檻の中の麻雀卓でライオンと同卓した場合、あなたは通常の思考で麻雀を打てるだろうか。麻雀のデータや戦術というのは人間相手にしか通用しないともいえる。それはライオンという猛獣と打つ人間が今までいなかったからだ。
断言しよう、どんなプロ雀士でもライオンと打ったことは無い。
ライオンとの対局は未知数なのである。宣言牌のスジが通るか、副露時の聴牌率はどれくらいなのか、生きて帰れるのか、fight or flight, 闘争か逃走か。
ライオンの幻影
ライオンの鳴き声を間近で聞いた時、それによって体に変化が起きる。緊急時には使用しない内臓への血流が絞られたり判断力が低下したりするのだ。対局中にこれは致命的だ。ここからはそんなライオンの鳴き声を武器にする方法を紹介する。
麻雀対局中に発声できる用語は6種類。ポン、チー、カン、ロン、リーチ、ツモ。これをなるべく低い声で、なおかつ通常よりも大きな声で発声する。大きく息を吸って、その全てを使い発声するイメージだ。ポンやチーというのは発声的に軽い音になりやすいので言い換えで出しやすくするのがコツだ。
- ヴォンッ
- ズィー
- グァンッ
- ヴォンッ
- ディーチ
- ズォ
対戦相手はヴォンッやズィーの一声で身構えることは間違いない。目の前でライオンと打っているのだから。たとえそれが1巡目にオタ風をヴォンッした場合でも、いきなり123をズィーした場合でも相手が見ているのは猛獣の手順だ。
猛獣を相手にしているというだけでも逃げ出したくなる、そんな猛獣が次の局に先制「ディーチ」を掛けてきたらもう戦えないだろう。ここからはリーチの一人旅、サバンナを歩く猛獣が進むのは流局までの約束された勝利の道。
ネコになるな、ライオンになれ
昨今ではライオンになりきれず「ポンにゃ」「チーにゃ」「ロンにゃ!」などといったネコ発声法が流行っている。同じネコ科としてもこれでは誰も降りてくれないだろう。確かにネコが同卓していれば打牌が甘くなるかもしれない。打牌が甘くなるというのは実は良いことではない。
攻めに甘んじるという打ち方こそが甘い打牌、つまりどんな形や状況でも無理やり参加してくるという意味でもあるのだ。自身のツモ率を上げるという名目においては効果は薄いだろう。

悪鬼流麻雀においてルール無用の「トイトイの構え」を編み出し、数々の大物手を蹴ってきた実績を持つ。トイツ濃度という考えを独自に進化させ、立直者に対しては決して楽をさせない打ち筋を選ぶ。座右の銘は好牌先打・尖張牌。
好きな役は「対々和」好きな雀士は「土田浩翔」



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