麻雀を打っていて何気なく採用されているローカルルールは多い。初めて打った場所や教わった人などから継承されたルールが伝わっているパターンである。後付け先付け、フリテンなし、流し満貫、南場流局時の扱いなどと対局前に確認することは多いだろう。その中でもオープン立直というローカル役はよく見られ、普通のルールだと思っている人もいるかもしれない。
今回は「オープン立直」の採用についてのメリットとデメリットを解説したい。
一般的なオープン立直とは
通常の立直宣言時に待ち牌が分かるように手牌オープンにする立直。
- オープンにするのは待ち牌部分だけの場合と13牌全ての場合がある
- オープン立直は2ハン役とする
- オープン立直に振り込んだ場合は役満とする
- オープン立直発生前に立直を掛けていた場合、オープン立直に振り込んだ場合は1ハンUPとする
- オープン立直は先制リーチ者にしか権利が無い
- オープン立直は一局中に複数人できない
ほとんどは上の3つ程度が採用されている。要約すると待ち牌をオープンにすることでハン数をアップさせる立直である。また他家が振り込むと役満になるルールが採用されていることが多く、そのルールの補強のために下3つの項が採用されている。
オープン立直は強いのか
麻雀において立直という役は強いというのは常識だろう。手牌の変化を捨てて千点棒を供託に出すことで1ハンの役を得られる。麻雀において1ハンというのは「×2」役と同じであり、点数が2倍になるわけだ。オープン立直は手牌の変化を捨て、ロン和了を無しにする代わりに2ハン役、つまり「×4」役ということになっている。
ロン和了が出来ないからアガリにくくなるし、2ハン役でもキツいと感じるだろうか。実際のところ通常の立直でもオリられればロン和了はほとんど出なくなるし、ツモ和了がメインである。また立直のみの役なら振り込めば1300や2000、ドラが乗ってもギリギリ許容できる範囲の役もオープン立直にすれば一気に役満というバランスブレイカーっぷりが見れる。もちろんオープン立直に対して追っかけリーチをすればこのリスクが待っているわけだ。
またオープン立直に関して細かく規定されていないルールでは先制リーチ者がいる状態では実質オープン立直が掛け得になっている事も多く、2軒リーチ時ならオープン立直を選ばないのがおかしいぐらいのバランスである。それでさらに放銃すれば1ハンUPの3ハン役となっている場所もあるのだ。
オープン立直は待ち牌がわかるため他家を降ろす効果も無いし、掛けられた側としては押し返すこともできるし、弱いという風潮がある。実際は使い切れない当たり牌を引けばオリることになるし、そもそも押し返せるまで手が育たない事もある。そんな間にでもツモられれば1ハン高い役なのだから、多面張では和了率はほとんど変わらないだろう。
オープン立直を採用するメリット
オープン立直は比較的手作りが要らずに満貫を目指せる役である。オーラスや逆転条件時にオープン立直が見られることが多く、クイズでいう最終問題10000点といった感じで使われることが多い。打っている者のオープン立直の評価によるが、あまり頻発はしないイメージだ。
オープン立直を受ける側としては当たり牌が分かるのでオープンして欲しいと思うのが普通だ。受ける側からすれば弱く感じるが、1ハンUPするほど弱いわけではない。メリットとしてはオープン立直者に対して長考が減るぐらいだろうか。
オープン立直を採用するデメリット
まず第一に役における難易度と点数のバランス問題である。オープン立直は簡単に2ハン得られる点が問題であろう。またオープン立直時に待ち牌部分や手牌全体をオープンすることによって他家が得られる情報アドバンテージも増えるという点も問題だろう。
一番の問題は「振り込んだ者が役満払い」という点だと考える。麻雀というのは振り込んでもいい状況がいくつか存在する。わかりやすくいえばオーラスの激トップ時に子のリーチに振り込んでしまえば半荘を終わらせられる状況だ、ドラの在処が分かっている子リーチなどにデカくて5200で逆転が無さそうな場合、オープン立直にするだけで急に32000となるのだ。
自然な振り込みが無くなるのは雀力向上という点でも問題が多い。通常のリーチに対する行動というのはオリる判断、押し返す牌回し、追っかけリーチ判断など雀力が試されるものだ。しかし、アタリ牌が分かっているためこちらの手の大きさや点数効率なども考えることなく「アタリ牌を掴んだから回した」というような他のシーンでは全く役に立たない学びが得られる。
またオープン立直があると追っかけリーチという麻雀において盛り上がる「めくり合い」という状況も起きづらくなってしまい、反対に先制じゃ無いならオープン立直で得をするという状況も起こるわけだ。他にもオープン立直の評価によっては「オープンしない=悪形」も成立してしまい、通常の読み部分にも影響を及ぼすことになる。
悪鬼流でのオープン立直の扱い
さて長々とメリットデメリットを述べてきたが、我々悪鬼流麻雀ではオープン立直はどう扱っているのか。それはもちろん採用している。
オープン立直は立直宣言時のみ可能であり「待ち牌に関する部分のみを晒す」「ツモってもハン数アップは無し」「振り込まれてもハン数アップは無し」という形で採用している。
何のメリットも無い、ただ待ち牌を教えるだけの立直としての採用である。ツモ運を誇示するためだけのオープン立直や、舐めプ用の採用かと思われているが実際のところこの規定でも変化は起きる。
- ロン和了したくない役での使用
- 差し込み相手への確実な表明
出アガリで一気に弱くなる役、三暗刻や四暗刻などがわかりやすい例だがこういうタイミングでのオープン立直は地味に効く場合がある。振り込んでしまえば安く済むような役を強引にツモりに行く時に使う方法だ。結果的に振り込んでいたほうが安かった、という事も多い。
2つ目はドラや役が見られないような安っぽい立直をオープンすることで確実な差し込みを受けるといった使い方だ。オープン立直に採用されている振り込めば役満というルールはこういった差し込みを封じるために用意されているのでは無いかと感じるぐらいには効果は高い。
悪鬼流ではオープン立直はロンアガリ率が高いと恐れられているぐらいには強いのだ。

悪鬼流麻雀においてルール無用の「トイトイの構え」を編み出し、数々の大物手を蹴ってきた実績を持つ。トイツ濃度という考えを独自に進化させ、立直者に対しては決して楽をさせない打ち筋を選ぶ。座右の銘は好牌先打・尖張牌。
好きな役は「対々和」好きな雀士は「土田浩翔」



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